日時:9月23日(水) 10:00~12:00
場所:ラポールひらかた4階 大研修室
講師:高齢者大学校 植田 正幸 様
縄文人の実像を探る前に、人類はどのようにして世界に広がったのでしょう。
6万年前のアフリカから始まる人類拡散の歴史です。
1980年代に世界各地の現代人の共通先祖の起源地はアフリカであることが
判明しました。
その後、現生人類(ホモ・サピエンス)は約20万年前にアフリカに誕生し、約6万年前からアフリカ大陸を出発した少数のグループから世界に広がり、
現代に至る発展を遂げました。これが人類史の定説です。
アフリカを出た時、すでに人類は現代人と同じ知能を持ち、容姿の特徴も
基本的には現代人と同じだったと思われます。
さて、人類発祥の地・東アフリカ(500万年前)で誕生した人類はアジア、北アメリカを経由して、南アメリカにたどり
ついたわけです。注:下記の図-[人類の世界拡散の経路」参照
各地に派生した現生人類が、それぞれの地域に住んでいた原人の子孫と交雑しながら広がっていったそうです。
それでは、日本人はどこから来たのでしょうか?
定説は次の3ルートです。
⦿ 「対馬ルート」➡朝鮮半島から対馬経由で西日本に入る
(約3万8千年前)
⦿ 「北海道ルート」➡シベリアからサハリン経由で北海道へ南下した
(約2万6千年前)
⦿ 「沖縄ルート」➡中国大陸・台湾付近から琉球列島
(約3万年以上前)
[参考]
「日本人起源論」(著 篠田謙一)➡DNAの最先端技術に基づき、日本人のルーツに迫ります。
○日本人は他のアジア人と遺伝子が異なるのはなぜですか?
他の東アジア人とは異なった「縄文人」ゲノムが入っているからです。先ず、「日本人」とは、日本列島内で、ブレンドされて
形成された民族、人類集団です。「日本列島集団」は比率の異なる3種のブレンド種がいます。「縄文人ゲノムの比率」で
表すとおおよそ、大和民族=10%~15%・沖縄人=18~22%・アイヌ人=40~60%(オホーツク沿岸民族の血が混じっている)
*ゲノムとは、遺伝子と染色体から合成された言葉で、DNAのすべての遺伝情報のことです。
○大和民族については、北海道から九州まで、おおよそ「10~15%」の中に納まります。つまり、大和民族であれば、
「縄文ゲノム」が、10%以下の人も、15%以上の人も、どこにも存在しないのです。日本列島の、どんな山の中の、どんな
過疎地であっても、結果は同じです。「縄文系」が強いと言われている東北の山の中の過疎地であっても、
「沖縄人(20%程度)」を超える人は見つかっていません。
○「日本人(ヤマト人)」は
①6万年ほど前に、アフリカを出て、中東、中央アジア(一部はアンダマン諸島へ)⇔インド東部のベンガル湾に浮かぶ島々、
東アジア(一部はチベットへ)、そして日本列島へ渡来した一派(縄文人)、アイヌ、沖縄人に 本土日本人よりは濃く、
その特徴が残っています。
②今から3000年前ほど前に中国大陸から日本列島へ渡来した一派(渡来系弥生人)、基本的には中国人の祖先と同じ流れをくむ
人類集団であります(←漢族という意味ではない)。
結論➡「日本人(大和民族)」は、上記の「①②」である、「縄文人」と「渡来系弥生人」との混血民族です。
○篠田謙一氏➡日本の分子人類学者、医学博士。国立科学博物館人類研究部研究グループ長、研究主幹。京都大学卒。
*ご参考:日本経済新聞 2020/11/8 26面「日本人起源を伝える使者」関連記事掲載があります。
*電子版:下記サイトに一部、関連情報があります。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65930200W0A101C2MY1000/
あなたもジンドゥーで無料ホームページを。 無料新規登録は https://jp.jimdo.com から